2014年4月8日 記
2015年9月27日再構成
「ファイナルファンタジー II」。
名高い「ファイナルファンタジー」シリーズの第2弾は、職業や経験値の無い、時代を先取りするRPGだった。
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ゲーム紹介動画
目次
1. ファイナルなのに、2が出た!
ファミコンとコンピュータRPG
1985年に発売された「スーパーマリオブラザーズ」のヒットにより、ファミコンは家庭用ゲーム機というジャンルと共に広く市民権を得た。そして、その翌年の1986年から87年にかけて、早くも次の潮流がやってくる。
「ドラゴンクエスト」(1986年5月27日発売)
「ドラゴンクエストII 悪霊の神々」(1987年1月26日発売)
エニックス(現スクウェア・エニックス)から立て続けに発売されたこれらのドラクエシリーズがヒットしたことで、ファミコンでコンピュータRPGというジャンルを一気に盛り上げたのだ。
ドラクエシリーズがファミコンに定着させたコンピュータRPGとは、簡潔に言えば、キャラクターの成長と共にストーリーを紡ぐ思考型のゲームである。その歴史にはアドベンチャーゲームとの交錯、日本での独自の進化など、実に興味深い点があるのだが、他で散々検討を加えられてきた話なので、割愛させていただく。
さて、子供を中心とした若年層が主なターゲットであるファミコンでは、それまでの主流は、気軽に始められてタイミング良くボタンを操作するアクションゲームやシューティングゲームだった。言わば“動”のゲームである。これに対し、次の行動を考えながら一手ずつ進める“静”のゲームとも言えるコンピュータRPGは、数値に置き換えられたゲームシステムを理解することから始めなければならず、取っ付き難くて受けないだろうと言われていた。しかし、コンピュータRPGの面白さを分かり易く伝える為に作られた「ドラクエ」シリーズは成功を収め、ファミコンでもコンピュータRPGが受け入れられることを証明した。その後、「ドラクエ」に倣って、数多くのRPGがリリースされるようになる。なお、今回の紹介動画では「ドラクエ」以後、ファミコンで主流となったコンピュータRPG群をまとめて「ファミコンRPG」と呼んだが、多分そんな言葉は一般的ではないのでご注意頂きたい。
ファイナルなのに、2が出た!
「ドラクエ」に続いたファミコンのRPGの中で成功した一つが、「ファイナルファンタジー(FINAL FANTASY、以下FF1)」(1987年12月18日発売)である。パソコンでアドベンチャーゲームなどを中心に制作していたスクウェアだったが、ファミコンでは苦戦が続き、「ファイナルファンタジー」という名前に最後の作品となるだろうとの意味が込められていた、というのは有名な話だ。しかし、この作品がヒットしたおかげで、最後の作品にはならずに済み、後に「ドラクエ」と双璧を成すコンピュータRPGの有名シリーズとして定着するのだが、「FF2」の発売当時、ファミコン専門誌『ファミリーコンピュータMagazine』にて、「ファイナルなのに2が出た!」とネタにされていたのを、とてもよく覚えている。
FFシリーズ第2弾
「ファイナルファンタジーII(FINAL FANTASY II、以下FF2)」は、1988年12月17日にスクウェア(現スクウェア・エニックス)より発売されたロールプレイングゲーム(以下RPG)、「ファイナルファンタジー」シリーズ(以下FFシリーズ)の第2弾である。シリーズ第2弾ではあるが、ストーリー上もシステム上も、前作「FF1」との直接の繋がりは無い。これ以後、FFシリーズといえば、魔法(例:ケアル)やアイテム(例:ポーション)、スト―リ上のキー要素(例:クリスタル)などの共通項はあるものの、基本的にはナンバリング毎にストーリーもシステムも一新されるのが常となっている。
また、FFシリーズと言えば、個性豊かなキャラクター群が織りなす重厚なストーリーと、毎回新しい要素が取り入れられるゲームシステムではなかろうか。特に「FF2」は後のナンバリングと比べても異彩を放っており、その成長システムはFFシリーズを飛び出して、サガシリーズへと受け継がれていくことになる。
次章では、そんな「FF2」のゲームシステムを取り上げようと思う。