2013年12月28日 記
2015年11月20日再構成
「テニス」。
ファミコン初のテニスゲームは、テニスのTVゲームとしての完成度が極めて高かった。
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ゲーム紹介動画
目次
1. ファミコン初期の名作スポーツゲーム
ファミコン初期のスポーツゲーム
ファミコン初のテニスゲームとなる「テニス」が発売されたのは、1984年1月14日である。それはファミコンの発売からちょうど半年後のことであり、ファミコンのスポーツゲームとしても「ベースボール」(1983年12月7日発売)に次いで2作目、ファミコンソフトの通算でも10作目という、ファミコン初期の頃のゲームソフトだ。当時は、全てのソフトを任天堂自身が賄っていた。
左は「テニス」のタイトル画面だが、下からタイトルがスクロールして上がってきたり、ロゴが点滅したりという演出は一切なく、電源を入れると直ぐにこの一枚画が表示される。セレクトボタンで1人用(SINGLES)、2人用(DOUBLES)を選択できるが、2人用でも対戦プレイはできず、二人で協力してコンピュータ(COM)を相手にプレイすることになる。著作権表示が「1983」となっているので、もしかすると1983年中に発売するつもりが年明け(1984年)にずれ込んだのかもしれない。そういう意味では、年末年始のこの時期(紹介動画公開2013年12月16日、本稿執筆2013年12月28日)に取り上げるのにふさわしいレトロゲームではなかろうか。
初期型と再販版
「テニス」も含めて「マリオブラザーズ」(1983年9月9日発売)や「ベースボール」等の1983年~1984年前半の任天堂製ファミコン初期のゲームソフトは、1984年年末商戦頃にはパッケージを少し豪華にして再販されていた気がする。いわゆる銀箱というやつだ。これにより、当時のソフトには初期型と再販版との二種類が存在する。
当初、任天堂製ロムカセットは、ビニルにくるまれて、カセットとほぼ同じ大きさの紙箱に入っていただけだった(一番上の写真)。しかし後に箱が改良されてカセットを守るように一回り大きくなり、ビニルに包まれてプラスチック製の透明な土台に収められるようになった。この変更に合わせて、1984年年末商戦では、それまでに発売されていたファミコンソフトが、この改良された新パッケージに梱包し直されて再版されたのだ。左の写真は再販後の「テニス」のロムカセットだが、二つ上の写真と見比べて頂きたい。それまでは無機質なデザインだったロムカセットに、パッケージの絵が描かれるようになっている。このデザイン変更から、ファミコンの普及により、TVゲームというジャンルが、一部のマニア向け商品から一般の家庭向けの娯楽として変化しつつあったと読み取るのは、いささか大げさだろうか。
ファミコン初期のスポーツゲームとは言え、「テニス」のテニスゲームとしての完成度は高かった。次章では、そんな「テニス」のゲームシステムをご紹介しよう。