2013年10月31日記
2015年10月31日再構成
「ツインビー」。
それは、ポップで明るいコナミの名作シューティングゲームだった。
コンテンツメニュー
ゲーム紹介動画
目次
1. ポップなシューティング
80年代を代表するコナミの二大シューティングゲームと言えば、横スクロールの「グラディウス」(1986年4月25日ファミコン版発売)と縦スクロールの「ツインビー」(1986年1月4日ファミコン版発売)では無かろうか(※1)。
「グラディウス」が宇宙を舞台とした真面目なシューティングとすれば、「ツインビー」はポップでコミカルな明るいシューティングだった。では、その特徴を三点に絞ってご紹介する。
(※1):「ツインビー」シリーズの二作目が、横スクロールと縦スクロールを交互にプレイする「もえろツインビー シナモン博士を救え!」(1986年11月21日発売、ディスクシステム)だったので、一概に縦スクロールの「ツインビー」とは言えないかもしれない。
背景が青
まず、背景が黒くない。当時のTVゲームには黒背景のものが多く、特にシューティングゲームでは暗い宇宙を舞台とするものが多かったのだが、「ツインビー」はそうではなかった。1面では、画面の7割ほどが青い海だ。タイトル画面の背景も青である。
タイトル画面が青色と言えば「スーパーマリオブラザーズ(以下スーパーマリオ)」だろう。「スーパーマリオ」の回でも記述したが、黒い背景のゲームが多い中で、青を基調としたタイトル画面というだけで、結構印象が変わるものだ。
なお、ファミコン版「ツインビー」の発売日(86年1月4日)は「スーパーマリオ」(85年9月13日)の後であるが、元となるアーケード版「ツインビー」は1985年3月には登場しており、「ツインビー」とは、「スーパーマリオ」以前のゲームである。
ポップなキャラクター
次に、キャラクターがポップでキュートである。例えば、敵キャラが野菜(1面)や文房具(4面)など、身近なものがモチーフとなっているが、カニやタコやエビの次に象が飛んできたり(3面)、地上から攻撃してくる砲台がタケノコ(1~3面)や手(4~5面)やモアイ(5面)だったりと、結構何でもありな感じもする。自機が地上を攻撃する時も、機体の左右に伸びた腕から弾を直接投げている。突き詰めて考えると、かなり不思議な攻撃方法である。
変化するBGM
最後は、特徴的なBGMである。「ツインビー」のBGMは明るくノリが良い。面白いのは、自機の状況によってBGMが変化することだ。BGMからして重厚で壮大なイメージのある「グラディウス」をはじめ、面やステージ毎にBGMが異なるゲームは多かった。例えば、「スーパーマリオ」では、地上や海などステージ毎にBGMが固定されていた。
しかし、「ツインビー」では、どの面でも、ボスに到達するまでの間は、自機がパアーアップアイテムを取ればBGMが変化する。即ち、取る度にファンファーレが鳴り、パワーアップ状態用のBGMが最初からスタートするのだ。もちろん、1機失うと、ノーマル状態のBGMに戻る。
その一方で、ボス戦では面固定のBGMになっている。具体的には1,3,5の奇数面と2,4の偶数面で、別のBGMが用意されているのだ。ここまでは他のゲームと大差は無い。しかし、奇数面のBGMでは1機ヤラレルとBGMが変化し、テンポが速くなる。ボス戦中はパワーアップが出来ないので、BGMの変化はより一層の焦りを呼び込む。緊張感を高める演出である(ファミコン版では偶数面のBGMは変化しなかった)。
もちろん、ファミコンなので、今のゲームに比べればそれほど複雑なBGMではない。しかし、プレイヤーの動きに合わせて、言わば“能動的に”BGMを変化できるゲームは、当時にはまだまだ数が少なかったかと思う。少なくとも、小学生の私は、そう思っていた。
以上のように、「ツインビー」とは、ポップで明るいシューティングゲームだった。次章では、そんな「ツインビー」のゲームシステムをご紹介しよう。