FLAPPY

発売日1985年6月14日
ジャンルアクションパズル
開発デービーソフト
販売デービーソフト
「FLAPPY」ページリンク
【その1】
【その2】
【その3】
【その4】

2013年12月1日 記
2015年11月13日再構成

4. 「FLAPPY」の思い出

最後に「FLAPPY」に関する思い出話をいくつかご紹介して、本稿を終えようと思う。

デモプレイ

「1 UP」のところが「DEMO」に

タイトル画面でBGMが一回りすると、間髪を容れずにデモプレイが始まる。ホントに直ぐだ。場合によっては「PUSH SELECT BUTTON」という指示を読み切る前に切り替わるのだ。当時の多くのゲームでは、タイトル画面が静止して暫くの間は、じーっとタイトルロゴでも印象付けているかのように、何も動かない。そして十分タイトルロゴを見せつけた後にデモプレイが始まったものだ。しかし「FLAPPY」は違った。タイトルロゴをじっくり見せることは無い。しかもそのデモではSIDE 005即ち第5面を攻略してくれるのである。これにはちゃんとした意図があったように思える。
まず、SIDE 001からSIDE 003までは、ユニコーンしか出て来ない。同じ高さに居なければヤラレる事は無い。じっくりとこのゲームのパズル性を確認しながら進めるのだ。そしてSIDE 004に来て、初めてエビ―ラが登場する。しかし、ストーンで仕切られた向こう側(右側)に居るので、スタート直後にいきなり襲われる事は無い。初めて見るエビ―ラの動きを観察しながら対処することが可能である。こうして、デモプレイで使用されているSIDE 005に繋がるのである。ここで初めてエビ―ラとユニコーンが同時に登場するが、エビ―ラとフラッピーの間に遮るものがないので、開始直後に襲いかかってくる。アクション要素の難易度が格段に上がっているのだ。さらに、ブルーストーンの横には角があり、おいそれとは動かせない。そして初お目見えとなる浮島の様なブルーエリアが立ちはだかる。つまり、パズル要素の難易度も急に上がっているのだ。以上のことから、SIDE 005は最序盤にしては難易度が高めの設定になっていると言える。
ところで、前述した通り「FLAPPY」では5面毎にボーナスステージが存在する。即ち、「通常面5面+ボーナス面1面の6面」を一つとしてこれを繰り返す。言い換えれば、最初のBONUS STAGEまでプレイして、はじめて「FLAPPY」と言うゲームを理解して貰える事になる。そうなると、プレイヤーにSIDE 005ではつまずいてほしくない訳である。お試しプレイなどが出来なかった時代。240画面のボリュームを売りにしていても、SIDE 005つまり第5面でつまずかれてしまうと、無駄な買い物だと思われてしまう。ボーナスステージでエビ―ラやユニコーン達に遣り返せる爽快感を感じてほしい。KEYWORDで再開できる便利さを実感してほしい。それが制作者心理ではないだろうか。しかしその一方で、簡単な面ばかり並べて、温いゲームだと印象付けるのも、具合が悪い。初心者向けパズルという印象では終わりたくない。そういう思いもあったのではないだろうか。それらの思いが相まって、最初のボーナス直前の第5面の難易度を上げて本格的アクションパズルの印象を強めつつ、その解答例をデモプレイとして公開することでパズル初心者にも配慮したのではなかろうか。
・・・と、まあ、そんな後付けの感想はさておき、当時、小学生だった私たち兄弟はどう思ったのか。それはもちろん、
「うわー。さっき見たのに忘れたーっ!」
「リセットしてもう一回見るか?」
「えー。ここまで来たのに?」
と大いに悶絶したものだ。
きっと私たち小学生兄弟は、開発者の思う壺な反応をしていたことだろう。

描かれた文字

「FLAPPY」の各ステージでは、ブロックやストーンの初期配置に、何かしらの文字が隠れている事が多かった。ブルーストーンをブルーエリアまで運ぶと言うパズルを解くのも良いが、何と描かれているのか、それを探すのもまた楽しかったものだ。
「ちょっと待て。これ何か書いてないか?」
「何て書いてあんの?」
「(・・・分からん)いや、ええわ。さっさと解こう。」
当時小学生だった私たち兄弟には、気が付かずにスルーしてしまった隠し文字も、きっと多かったに違いない。
折角なので、序盤に出てくる幾つかをご紹介しよう。

SIDE 001
本稿の冒頭でもご紹介したSIDE 001のステージでは、「FLAPPY」とタイトル名が描かれている。しかし初期配置のストーンを含むので、ストーンを動かした後には気が付かないかもしれない。
BONUS STAGE 01
一番最初のBONUS STAGEである。若干「ミ」の文字が潰れているものの、ブロックで「ファミリー」と描かれている。これは分かり易い。
SIDE 011
このステージはどうだろう。あなたなら何と読むだろうか。見ようによっては、二通りに見えなくもない。不思議なものである。

素直に読むと「FM」

色分けした通りに読むと「F♪1」

認定証と質問券

GAME OVER

最後の最後に全くの記憶ベースの話で申し訳ない。私の記憶では、説明書の最後に「応募券」と「質問券」が印刷されていたと思う。
応募券」は、50面クリア毎のKEYWORD(より厳密にはSIDE050、SIDE100、SIDE150、SIDE200それぞれの次のBONUS STAGEで出てくるKEYWORD)と必要事項を記入し、デービーソフトに送るとクリア認定証が送り返されてくるというものだ。数百円の手数料として切手を同封したかもしれない。この認定証、紙ではなく金属か何かで作られていて、意外にしっかりしていた様に思う。うちには3,4枚あったはずなので、当時SIDE150くらいはクリアしていたのだろう。また、兄弟それぞれの名前で交互に応募した気がするので、全部で四枚しか応募券が付いていなかったように思う。
質問券」の方は、どうしても解けない時にヒントを教えて貰える権利である。応募券と同様に四枚のみ付いていたと思うので、チャンスは全部で四回だ。こちらも切り取って郵送すると返事が返ってくるらしい。らしいと言うのは、使った記憶が無いからだ。質問券から読み取れるのは、「無理やり作った200面ではなく、ちゃんと解けるようになっている200面だ」という制作会社の思いだ。裏を返せば、当時、コンシューマー向けにいい加減な調整で水増ししたパズルゲームが広まっていたのかもしれない。
現在はデービーソフト自体が「FLAPPY」の管理運営をしていないので、応募券も質問券にも、対応はしていないだろう。そもそも、ネット時代になった今では、KEYWORD情報の流布は避けられないだろうし、お節介な解き方サイトが至る所に出没しかねない。なので、こんなキャンペーンは出来ないだろう。アナログな時代ならではのキャンペーンである。

5. 終わりに

「FLAPPY」いかがだったであろうか?
ファミコン実機と中古のソフトを用意すると言うのも良いが、Wii U(またはWii)でWii版のバーチャルコンソール(VC)版を購入するのが、一番手軽ではなかろうか。なお、2015年11月現在、「FLAPPY」はWii版VCのみでお楽しみいただける。

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