スーパー信長の野望・全国版

発売日1993年8月5日
ジャンル歴史シミュレーション
開発光栄
販売光栄
「スーパー信長の野望・全国版」ページリンク
【概要】
【システム】
【技】
【思い出】

2016年11月15日 記

4. 「全国版」の思い出

最後に、元々取り上げたかった1988年発売のファミコン版「信長の野望・全国版」に関する思い出話をいくつかご紹介して、本稿を終えようと思う。

高価なソフト

ファミコン版のロムカセット

光栄は、「信長の野望・全国版」でファミコンに参入した時、9,800円という強気の値段設定に出た。そもそもファミコン本体でも14,800円であり、当時、ファミコンソフトの小売希望価格(定価)は4,000円前後から5,000円前後を推移していた。そんな時代だからこそ、ホントに高かった。ざっとゲームソフト2本分の値段である。子供にはキツイ。しかし、欲しい。一般には子供向きと見られていた家庭用ゲーム機ファミリーコンピュータだったが、この強気の値段設定は、それだけの代金が支払える大人向きのゲームとしての自負か、或いは、パソコン版の廉価版では無いとの意思表示なのかもしれない。いずれにしても、ファミコン時代のホビーパソコンの代表格であるPC-8800シリーズが、廉価版でも定価178,000円、高いものだと当時の価格で20万円を超えていたので、そのゲームが14,800円のファミコンで遊べるとなると、小学生にはたまらないのである。
ようやく手にした「全国版」は、箱も立派で、カセットも大きかった。説明書ではなく「信長の野望 全・国・版 戦国兵法書」と名付けられたマニュアルが入っていた。それだけで、豪華だと思えた。
ロムカセット自体の高さが他のゲームソフトの2倍近くもあったので、ファミコンのスロットに差し込む時は、かなり不安定だった。しかし、こんなところで壊すわけにはいかない。毎回、緊張しながら、ファミコンに差し込んでいた。そういえば当時、
この巨大なカセットの中、部品がぎっしり詰まっているんだろうな。9,800円だしな。
などと勝手に想像していたが、今にしてみれば、結構な笑い話である。
なお、「スーパー信長の野望・全国版」の小売希望価格は8,800円だったと思う。多分税別である。もし、税込だったら申し訳ない。“1,000円安かった”というイメージしかない。

表示時間

ゲーム開始後にも変更可能

50ヶ国モードでプレイをする時、場合によっては命令を出せるのが50番目になる。そして、ファミコン版はメッセージの表示時間の初期設定がかなり長く、その上、本作はいきなり謀反が頻発し、直ぐに各国が戦争を始めるので、もし、大名選択時に「こんぴゅーた どうしの たたかいを みますか (Y/N)?」で「Y」を選択してしまっていた場合、さあ、これから全国統一するぞというやる気をそがれるほどに、最初の自分の順番が回ってくるまでに時間を取られてしまう。なので、真っ先に行いたいことは、「3ねんぐ」でも、「14ほどこし」でも無く、「20そのた>3ひょうじ」で表示時間を短くすることだった。
その点、今回の紹介動画で取り上げたスーファミ版では、相変わらず戦争の頻度は高いものの、初期設定の表示時間が短めなので、最初のターンが50番目に回ってきても、あまり苦にはならなかった。

ファミコン版とスーファミ版

織田信長

今回初めてスーファミ版「スーパー信長の野望・全国版」をプレイしたのだが、やはり漢字は読み易い。ファミコン版では数字以外は全てが平仮名だった。コントローラーでさえ、「こんとろーらー」と表示されていた。また、勢力図や戦闘画面も、一画面で表示されるのはとても見易い。ファミコン版では、17ヶ国モードですら、勢力図は二画面分割であり、当時はHEX画面と呼んでいた戦闘画面は三画面に分けられていた。画面の切り替える反応も遅く、出来るだけ切り替えずに済むようにプレイしていたものだ。
大名の顔グラフィックスはファミコン版の方に愛着がある。左の画像は上がファミコン版、下がスーファミ版の織田信長なのだが、やはり一番最初の印象が強く、スーファミ版の武将の顔には馴染めないものがある。私の中では、徳川家康は若武者であり、姉小路頼綱(自綱)は困った顔をしており、龍造寺隆信はキリッとした細面のお坊さんだ(※)。そう言えば、【その3:テクニック】で蝦夷での立ち回りをご紹介したが、ファミコン版で「01えぞ」を治める大名の名前はかきざき(蠣崎慶広)だった。スーファミ版で松前慶広に変更されたようだ。他にも、「05うご」のあきた(秋田愛季)も安東愛季に訂正されている。晩年の名前で統一した訳でも無いらしい。
BGMに関しては、スーファミ版で豪華になった印象だ。アニメーションや効果音は、スーファミ版で変更されているのかもしれない。取引時など、記憶の中の効果音と少し違うのだ。もっとも、ファミコン版では「おと」や「あにめ」をオフにしていたことも多かったので、断言はできない。

(※)レトロなゲームソフトの説明書を多数公開されている「ゲームのせつめいしょ(仮)」では、ファミコン版「信長の野望・全国版」の説明書(戦国兵法書)も収集されている。そちらで全50人の大名の顔グラフィックをご参照頂きたい。

決戦!関ケ原

城と町以外何もない伊賀の国

ファミコン版でもスーファミ版でも、8人まで同時にプレイできる「信長の野望・全国版」。我が家は2人兄弟だったので、兄弟仲良く同時プレイ・・・になる訳もなく、隙あらば攻め合う姿勢は喧嘩の元だった。なぜなら、相手のプレイ時に相手の国力が手に取るように分かるので、お互いに攻め時が筒抜けなのだ。このままでは消耗戦に突入し、CPUにすら漁夫の利を取られかねないと、兄弟で協定を結ぶことにした。即ち、国を半分ずつ取るまではお互いに不可侵とする不戦協定だ。サクッと終われる17ヶ国モードで遊ぶことが多かったのだが、17ヶ国を9ヶ国と8ヶ国で分け合い、最後に大名自ら出陣し、全兵力でぶつかり、退却せずに死ぬまで戦い抜く。それがルールだ。「全国版」は、戦争で倒した大名の統治国全てを総取りできるシステムなので、この方法だと、決着が付いた時点でゲームクリアも果たせる。それはまさに、天下分け目の関ケ原である。
折角だからと、当初は関ケ原のある「09みの」を決戦の舞台としようとしたのだが、美濃は守備側有利な地形なので、先に手に入れた者が勝ち易い。そこで、決戦の場は、謎の平野が広がる「12いが」に落ち着いた(写真ご参照)。また、CPUを蹴散らし、お互いの治める国しか無くなった時から二年間(命令8回分)を、決戦への準備期間として、相手のターンは後ろを向いて操作を見ないという念の入れようだった。
何回かは楽しめたのだが、最終的には、兵忠を上げまくり、大量の金を蓄えて、ひたすらヒットポイントを回復できる(=相手の兵を奪い続けられる)守備側が、どの戦場でも有利となり、30日間経過によるドローも増えて、そのうちにやらなくなった。
その後も、名門山名家の復興を目指してみたり、里見の爺さんのタイムリミットに挑戦してみたりしたものの、今思えば、天下分け目の決戦をしていた頃が、一番「全国版」を楽しんでいた時期だった。

5. 終わりに

「スーパー信長の野望・全国版」、いかがだったであろうか?
残念ながら、ファミコン版「信長の野望・全国版」はバーチャルコンソール(VC)で配信されておらず、ファミコン実機と中古のソフトを用意するのはハードルが高い。その代わりとして、Wii U(またはWii)でWii U版(またはWii版)のVCのスーファミ版「スーパー信長の野望・全国版」を購入するのが、一番手軽ではなかろうか。スーファミ版の「全国版」はUIが変更され、ファミコン版よりも遊び易くなっている。なお、Wii版のVCの場合、Wiiリモコンと共にクラシックコントローラー(またはクラシックコントローラーPRO)が必要となる。

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スーパーファミコン版「スーパー信長の野望・全国版」は、Wii、Wii Uのバーチャルコンソール(VC)で配信販売されています。Wii版のVCのプレイには、Wiiリモコン(Wiiリモコンプラス)と共にクラシックコントローラー(クラシックコントローラーPRO)が必要です。以下に、関連商品の広告を表示します。ご興味のある方は、是非お買い求め下さい。

【ニンテンドープリペイド番号】
 ※Wii版のVCをダウンロード購入する際に必要な「Wiiポイント」として、Wiiショッピングチャンネルにて登録可能です。
 但し、一度登録した「Wiiポイント」は、「ニンテンドーeショップ」の残高とは合算出来なくなるので、ご注意下さい。

【Wii U 本体&周辺機器】

【Wii 周辺機器】
 ※Wii版のスーパーファミコンのVCで遊ぶには、Wiiリモコン(Wiiリモコンプラス)と共にクラシックコントローラー(クラシックコントローラーPRO)が必要です。

その他

文中登場したファミコン及びスーパーファミコン用ソフトのバーチャルコンソール(VC)対応表(文中登場順、2016年11月10日現在)です。

タイトルWii版VCWii U版VC3DS版VC備考
「スーパー信長の野望・全国版」×Wii版1,028円(税込)、Wii U版823円(税込)。
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