2013年10月11日 記
2016年11月15日更新
4. 「スーマリ」の思い出
最後に「スーパーマリオ」に関する思い出話をいくつかご紹介して、本稿を終えようと思う。
スーマリorスーパーマリオ?
「スーパーマリオブラザーズ」のことを、当時私は「スーマリ」と呼んでいた。家でも、友人の間でも、「スーマリ」で通じていた。しかし、今回、資料集めの一環で任天堂の公式サイトを見たところ、「スーパーマリオ」と略されていた。そこで、記事中、話し言葉以外は「スーパーマリオ」で略称を統一してきた。しかし、以下の思い出話では、当時使用していた馴染みのある「スーマリ」と呼ぶことにする。
「スーマリ」の夢
「スーマリ」の攻略本は、前掲の徳間書店のものだけでは無かった。事実、我が家にあったのは二見書房による裏ワザ大全集別巻の「決定版スーパーマリオブラザーズ」だったような気がする。後発故に、“どの本よりも詳しい”と銘打っていたからこその購入だった。それでもこの本は1986年ベストセラー第3位に堂々とランクインし、その前年の1985年でも第10位に入っていた。当時はインターネットが未整備であり、TVゲームがみんなの娯楽になりつつあった時代だ。それほど「スーマリ」のインパクトが強く、かつ、紙の本が売れた時代でもある。
さて、ありがちな話だが、当時小学生の私は、家でゲームをする時間は週末に1時間(二人兄弟合算で2時間まで)と限られていた。しかし本や雑誌は読み放題だったので、この攻略本を穴のあくほど読み込んでいた。あまりに読み過ぎたせいなのだろうか、ある夜、夢の中でまで「スーマリ」をやっていた。もちろん、夢なので時間制限はない。思う存分「スーマリ」で遊んでいた(・・・という夢だった)。起きた時に夢だったんだと気が付いたが、十分満足していた。あまりに楽しそうだったのだろう。いぶかしげな顔をした母が、
「どしたん?なんか良いことでもあったん?」
と尋ねて来たので、夢で「スーマリ」をした話をした。
「良かったなあ。なら、今週末はピコピコ(ファミコンのことである)しなくてもええな。」
と返された。この母の言葉は冗談だったが、それを聞いた瞬間、私の顔は一気に曇ったそうだ。ちなみに、兄には羨ましがられ、父は無関心だった。そう言えば、その週末、「お前は夢の中でもできるから俺が先にやる」とかなんとか難癖をつけられ、兄が先にファミコンで遊んでいた気がする。
マリオとルイージ
二人同時プレイが可能だった「マリオブラザーズ」ではそれなりに出番があったルイージだが、交互にプレイするだけで、ほぼ一人用となってしまった「スーマリ」での扱いはとても小さかった。例えば、キノコを取った後の状態やファイアボールを投げられる状態は、それぞれ、スーパー“マリオ”であり、ファイア“マリオ”であるが、スーパー“ルイージ”やファイア“ルイージ”という言葉はまず聞いたことが無い。
そんなルイージの個性が出るのは、完全一人用となった後続の「スーパーマリオブラザーズ2」(1986年6月3日発売、ディスクカード)からである。
――ジャンプ力は高いが滑り易い
そんなルイージの方が、連続ジャンプステージなどではマリオよりも使い勝手が良かったりする。「スーマリ2」をプレイした時には、よくルイージを使用した記憶がある。
5. 終わりに
「スーパーマリオブラザーズ」、いかがだったであろうか?
ファミコン実機と中古のソフトを用意すると言うのも良いが、Wii U(またはWii)でWii U版(またはWii版)のバーチャルコンソール(VC)版を購入するのが、一番手軽ではなかろうか。3DS版のバーチャルコンソール版も販売されている。また、文中登場したWii用ソフト『スーパーマリオコレクション スペシャルパック』には「スーパーマリオブラザーズ」「同2」「同3」「同USA」が同梱され、さらにブックレット、サウンドトラックCDが付いてくる。Wii Uでもプレイ可能である。私は、このスペシャルパックも持っているが、他の紹介動画と差が出ないようにするため、WiiのVC版を購入し直してプレイした動画を素材として使用している。今思うと、無駄な出費だった気がしてならない。