FINAL FANTASY II

発売日1988年12月17日
ジャンルRPG
開発スクウェア
販売スクウェア
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【その1】
【その2】
【その3】
【その4】

2014年4月8日 記
2015年9月27日再構成

4. 裏技集

2段目最後に脱字“ならかった”

何を持って裏と言うのかは定かではないが、当時のファミコンを取り巻く主なメディア環境は紙媒体であり、兎に角「裏技」特集が多かった。そこで、当時喧伝された「FF2」の「裏技」を幾つかご紹介しよう。

まずはバグ関連からである。なお、バグか仕様か、その境目はリメイク版で修正されたか否かで見極めることにする。プロローグの文章“ならかった”は省略する。

ABキャンセルで熟練度上げ

最終的には倒さなければならない

戦闘中、次のキャラクターの行動を選択する時にBボタンでキャンセルし、前のキャラクターの行動を再選択すると、戦闘終了後に、何故か前のキャラクターでキャンセル前に行動した熟練度まで得られるというバグである。「FF2」は最大四人パーティなので、ガイ(三人目)まではこのABキャンセルを使うと簡単に武器や魔法の熟練度を上げることが出来る。
RPGになじみ深い「簡単レベルアップ!」との謳い文句で、当時大いに喧伝された。この技の効果的な使い方として当時「序盤で武器16-00」が紹介されていたが、実際に使ってしまうと、中盤以降、敵の混乱魔法「コンフュ」に怯え、必要以上に難易度が上がることになる。特段この技に頼らなくとも、クリアは可能である。
私は、当時、この裏技は仕様通りかと思っていたのだが、ゲームボーイアドバンス版にて使用不可との措置が取られたことから、作り手が想定していないバグだったのではなかろうかと考える。

ウォールデス

ウォールブレイク

まず、魔法の壁を作って黒魔法を防ぐ「ウォール」を敵に掛る。次に、「デス」などの当たれば一撃で倒せる魔法を「ウォール」の掛かった敵に掛ける。すると、「まほうを ふせいだ」の表示が出るものの、何故か倒せてしまう。というバグである。この裏技には制約があり、後から掛ける一撃で倒せる魔法のレベルが、事前に掛けた「ウォール」よりも低くなければならない。
多分、魔法の処理順に関するバグである。即ち、「ウォール」が掛かっていると魔法のエフェクトが出た後に「ウォール」で防ぐという順番で処理されるが、一撃で倒せる「デス」や「ブレイク」などの魔法は、その魔法が成功しなければ魔法のエフェクトが出ない。すると、「ウォール」が掛かっているので、魔法のエフェクトを出す=敵が倒れる、そして「ウォール」処理だが既に敵が居ない・・・あれ?となっているのだと思われる。本来、「ウォール」を敵に掛けること自体にメリットが全くないことなので、デバッグ時にスルーされたのではないかと思われる。もちろん、この技に頼らなくてもクリアは可能である。
この技のメリットは、「デス」や「ブレイク」など、命中率の低い魔法のエフェクトを気軽に確認できることにある。今回の紹介動画には、ウォールブレイクを利用した小ネタを取り上げた(写真)。
なお、私の記憶では、当時の攻略記事でウォールデスと名付けられていたが、個人的には、ウォールトードでもウォールデジョンでも全く構わない。

魔法の本装備

普段は装備できないはずの魔法の本を、戦闘中にアイテム欄を使って装備するという裏技である。両手を素手にしておく必要があったかもしれない。そもそも魔法の本は武器でも盾でもないので、様々な効果が現れる一方で、セーブデータが飛ぶというハイリスクハイリターン(?)な裏技である。もちろん、使用しなくてもクリアは可能である。というよりも、使用した結果としてセーブデータが無くなってしまったら、むしろそれはクリアが遠のいていると言えなくもない。

魔法の効果に関するバグ

「レイズ」の全体化は無駄

先程の「ウォールデス」も、「ウォール」の効果に関するバグと言えなくもない。そのほか、魔法回りの不具合は色々ある。
バーサク」:攻撃力を高める魔法だが、「バーサク」後にアイテム欄を使って武器を持ち替えると、その効果が切れる。「せいじゃのこころ」「けんじゃのちえ」といった「せいしん」や「ちせい」を99にするアイテムの効果も武器持ち替えで消える。
バリア」:炎や冷気に対してバリアを張る防御魔法だが、どうやらバリアを張る順番が表示される順番とは異なるようだ。
デスペル」:かける相手のバリアを無効にする魔法だが、どうやら無効化できていないようだ。
レイズ」:戦闘中、全体化して掛けると、死んだ仲間を飛ばして判定され、結果として復活できない。戦闘中は一人ずつ掛ける単体魔法と割り切ろう。
今、思い出せるだけでもこれだけある。このゲーム、やっぱりデバッグ不足は否めないと思う。

次にご紹介するのは、仕様と思われる裏技である。

味方を殴って最大HP上げ

パーティアタックは程々に

戦闘中、味方を殴ってHPを削ることで、意図的に最大HPを増やせるという技である。MPを削る魔法「アンチ」やMPを吸収する「アスピル」を使えば、同様に最大MPも増やせる
ABキャンセルと共に、当時大いに喧伝された「FF2」の有名な裏技である。どのファミコン雑誌の攻略記事でも推奨されていたように思う。しかし、「FF2」の成長システムを思い出してほしい。味方のターゲットになっても、「かいひりつ」や「まほうぼうぎょ」は上がらないのである。これは説明書にも「敵の攻撃の目標に」「敵の特殊攻撃の目標に」と確かに記載されていた。当然ながら、味方を殴ってHPを無理矢理上げなくてもクリアは可能である。
どこで読んだのかを覚えていないのだが、そもそも「味方を殴る(=パーティアタック)」とは、アンデッド系モンスターに「ケアル」を掛けて攻撃できるようにした結果が生んだ副産物だそうだ。しかし、結局リメイク版でも修正はさなかったので、最終的に追認された仕様だと思われる。(これとは別に、有名過ぎて消せなかったという説もあるようだが、こちらも、どこで読んだ記事か全く覚えておらず、大変申し訳ない。)

エンカウント飛ばし

カヌーでの移動

「FF2」の敵が出るフィールド(ワールドマップ、ダンジョン、小部屋等)では、その場所に応じた乱数パターンテーブルが存在する。このパターンテーブル上で、敵出現となる乱数になった時に敵が出現する。小部屋は、敵が出現する乱数パターンが他の地形よりも多い。この乱数パターンテーブルを進めるのが、移動(徒歩、船)とポーションやケアルなどによるランダム量の回復である。ファミコン版の乱数パターンテーブルは解析されてネット上で公開されているので、それを見ながら次の一歩で敵が出る時にポーションを使えば、敵に遭わずに乱数パターンテーブルを進められる。短時間クリア等の制限プレイ時に利用されるが、戦闘の数を減らすと、それだけ成長の回数も減るので、上級者向けである。
ちなみに、飛空船、定期船、カヌー、チョコボでの移動時には乱数パターンテーブルが進まないので、敵が出現しない。

飛空船のスピードアップ

飛空船を手に入れた後、飛空船に乗ってBボタンを32回押すと、Bボタンを押す度に4倍速と8倍速を切り替えることが出来る。

5. 隠しパラメータ

当時のコンピュータRPGでは、「戦っているうちに分かるから(=それを理解する過程もゲームのうち)」「表示させるならそれ専用の画面を新たに用意しなければならない(=それだけデータ容量を食う)」といった事情により、処理時に使用するパラメータの全てをプレイヤー側に見せることは少なかった
「FF2」も例外では無く、多くの隠しパラメータが存在した。ここでは、その幾つかをご紹介しよう。

武器の回避力と防具の重さ

盾装備で回避率アップ

新しい武器や鎧を装備した時、必ず確認したいのがステータス画面の「かいひりつ」である。一部の武器(マインゴーシュやディフェンダーなど)には、盾のような回避率アップ効果があり、重い金属製の防具は、防御力が高い代わりにその重さにより「かいひりつ」が下がる。ネット上で「むねあて」や「ローブ」が推奨されているのは、この重さを気にしなくて良いという手軽さ故にである。もちろん、「かいひりつ」が落ちなければ、アーマー類を装備しても全く問題ない。

装備品の魔法干渉

どのキャラクターも自由に成長させられる「FF2」だが、物理攻撃が得意なキャラクターと魔法の使用が得意なキャラクターの住み分けが施されている。其の例の一つが、説明書にもある通り、「ちから」が上がると「ちせい」が下がったりするステータスの上下である。そしてもう一つが、いわゆる「魔法干渉」という隠しパラメータである。
この言葉が正しいのかは、正直分からない。「魔法妨害」でも「魔法使用時のペナルティ」でも構わない。確かなことは、物理攻撃の得意なキャラクターが魔法を使用した時、その効果を低くなるように設定されていると言う点である。ほとんどの場合、重い防具ほどこのペナルティが高い。ネット上で「むねあて」や「ローブ」が推奨される理由はここにもある。ファミコン版では武器にもこのペナルティがあり、マサムネ、ナイフ類、つえ、まじゅつのつえ、まどうしのつえ、いやしのつえ、ダイヤメイス以外は総じて高いと思ってよい。流石に、後列メインで戦うキャラクターには、魔法か弓しか主な攻撃手段が無いのにも関わらず、弓を装備すると魔法の威力が低下するのは問題だと考えたのか、その後のリメイク版では変更が加えられ、最終的には武器には設定されなくなっている。

武器の命中力

新しい武器を装備した時、攻撃が当たり易くなったり外し易くなったりしないだろうか。それは武器固有の命中力が関係している。新しい武器を装備したらステータス画面の「めいちゅうりつ」も見ておこう。当たった相手に悪い影響を与える追加効果のある武器は、総じて命中力が低く抑えられている。この場合、「ちから」を上げて「めいちゅうりつ」の底上げを図るか、武器の熟練度を上げたり「ヘイスト」を使用したりして、攻撃判定の回数自体を増やすしかない。

属性

神経属性の「スタン」

説明書の「スタン」の項には「神経を麻痺させて、動きを止める。」とある。
さらに、「ストップ」の項には「かける相手の時間を止めて、動けなくする。」とある。
どちらもゲーム中の効果は「麻痺」である。この両者、実は属性が違うのだ。「スタン」の属性は神経であり、「ストップ」の属性は変化である。
属性は8種類ある。まず分かり易いのは、炎、冷気、稲妻、毒の4種類。それぞれ、「ファイア」「ブリザド」「サンダー」「クラウダ」の魔法に対応する。残りの4種は変化、精神、神経、死である。変化は「テレポ」「トード」「ストップ」「チェンジ」など、精神は「フィアー」「アンチ」「スリプル」「コンフュ」など、神経は「サイレス」「スロウ」「スタン」など、死は「デス」である。
これらの属性に対し、ダメージの倍化や半減、状態異常の無効化などの効果が、敵キャラや装備品毎に設定されている。
「バリア」「デスペル」の想定している各種バリアは、この属性に対応していた(はずだった)。また、「イージスの盾」では、変化、精神、神経、死に関する状態異常を防ぎ、さらに、全ての属性を防御する「リボン」では、炎、冷気、稲妻、毒のダメージを半減し、変化、精神、神経、死に関わる状態異常を防ぐ。

種族特攻

ホワイトドラゴンは「空中」と「竜」

種族とは、敵キャラクターの分類に使われる。空中、大地、水棲、鬼、魔導、竜、狼、不死の8種類ある。こちらは主に弱点管理に使われるので、表題を種族特攻とした。例えば「オーガキラー」は、鬼に与えるダメージが増える鬼特攻効果がある。また、これらの効果は、「オーラ」の魔法により、一時的に付与することができる。さらに、不死に対しては、「ケアル」や「ポーション」でダメージを与え、「レイズ」が当たれば一撃で倒せる代わりに、「ドレイン」や「アスピル」を掛けると逆に吸い取られてしまう。

装備品の追加効果

「ほのおのゆみ」で攻撃

一部の武器には属性や種族特攻が付いていたり、攻撃が当たった時に追加効果を発現したりするものがある。例えば、「ほのおのゆみ」は炎属性がついており、炎に弱い敵へのダメージが増加される。(さらにリメイク版では、その属性を防ぐ効果もある。)また、「トライデント」には種族特攻:水棲が付いているので、水棲生物へのダメージが上がる。呪いの追加効果の「こだいのつるぎ」や盲目の追加効果の「もうもくのゆみ」など、追加効果がある武器は、総じて命中力が低い。(さらにリメイク版では攻撃命中時の追加効果発現率もファミコン版より低く抑えられているように思える。)
一部の盾と防具には、属性耐性が付いているものがある。例えば「ダイヤシールド」は稲妻を半減し、「しろのローブ」は変化、精神、神経、死に関する状態異常を防ぐ。さらに、一部の防具には、装備時に能力値が上がるものがある。例えば「とうぞくのこて」は「すばやさ」+10、「きょじんのかぶと」や「パワーリスト」は「ちから」+10である。同じ効果の防具を幾つ付けても+10までしか加算されないのはファミコン版のみである。

モンスターランク

オープニングのくろきしはランク6

同じ相手と戦っていても、剣の熟練度が1-00の時は数回の戦闘でレベルが上がるが、4-00になると、なかなかレベルが上がらない。これは、モンスターランク(敵の強さ、最大7)が関係している。弱い敵を相手にしている時には、高レベルの武器や魔法の熟練度はたまり難くなっているのだ。モンスターランクは、リメイク版のおまけ要素であるモンスター図鑑に記載されている。最高ランクは7だそうだ。

これまで、「FF2」のシステムから裏技、隠しパラメータまでをご紹介した。30年近く前にファミコン用として世に出されたにしては、複雑で、やり込みがいのありそうなゲームではなかろうか。「FF2」の魅力はもちろん、それだけではない。最後に、次章にて「FF2」の思い出を綴りながらその辺りをご紹介しようかと思う。もうしばらくお付き合い頂きたい。

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※ファミコンオリジナル版のBGM集

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※FF2シナリオライター寺田憲史氏による当時発売された小説版

※ライトノベル作家梅村崇氏によるFF25周年記念に発売された小説

※FF25周年記念本のFF2収録分

その他

文中登場したファミコン用ソフトのバーチャルコンソール(VC)対応表(文中登場順、2015年9月27日現在)です。

タイトルWii版VCWii U版VC3DS版VC備考
「ファイナルファンタジーII」各514円(税込)
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