F-ZERO

発売日1990年11月21日
ジャンルレースゲーム
開発任天堂
販売任天堂
「F-ZERO」ページリンク
【概要】
【システム】
【技】
【思い出】

2017年7月15日 記
2017年7月27日更新
表のレイアウトを調整、文章を加筆修正

2. ゲームシステム

本章では「F-ZERO」のゲームシステムを簡単にご紹介しよう。

モード紹介

タイトル画面

このゲームは、個性的な4種類のマシンの中から1台を選択し、1コースを5周して、タイムや順位を競う1人用のレースゲームである。
以下は、タイトル画面で選択出来るモードである。「RECORDS」は、1度レースを完走すると追加される。

モード名解説
画像
GRAND PRIX5つのコースを転戦し、総合優勝を目指す本作のメインモード。5種類のコースは、各LEAGUE(リーグ)毎に予め決まっており、KNIGHT、QUEEN、KINGの順番でコースとしての難易度が上がる。各コースで3位以内に入らなければ、次のコースに進めない。リタイア時にスペアマシンが無ければ、ゲームオーバーである。なお、各リーグの難易度はCLASS(クラス)で選択できる。こちらはBEGINNER、STANDARD、EXPERTの3段階で、EXPERTをクリアすると、その上のMASTERクラスが出現する。
PRACTICEライバルカーを1台または0台選んで、1つのコースだけを練習するモード。GRAND PRIXでクリア出来ないコースを繰り返し練習してコースに慣れるのが主な目的だが、周回遅れなどの邪魔な敵のマシンを気にしなくて良いので、ひたすらタイムアタックに取り組むことが多い。但し、ロケットスタート(※1)を決める為に、ライバルカー1台と共に走る方がタイムを縮め易い。GRAND PRIXの全15コースの中から選択できるコースは約半分の7種類だが、KNIGHT LEAGUEの5コースは、全て練習可能である。
RECORDSオートセーブ機能で記録されるコースレコードやトップラップタイムを各コース毎に参照出来る。どのマシンで出したタイムかまで一目で分かるが、タイムアタックを繰り返すと、多くの場合、赤(FIRE STINGRAY)一色になる。タイムは100分の1秒単位で表示されるが、フレームレートは60fpsか30fpsだと思う(※2)ので、どうやって計っているかは不明である。

(※1)ロケットスタートとは、スタート時にライバルカーの前に飛び出してわざとぶつからせることで、その反動を利用して加速するスタート法である。自分で加速するよりも早くスピードを上げることが出来る。

(※2)フレームレートとは、単位時間あたりに表示する静止画像の数で、通常、1秒当たりのフレーム数であるfps(=frames per second)で表す。昔の白黒フィルムは人間がカクカク動くが、これはフレームレートが低いからである。
ファミリーコンピュータの時点でスプライト(点)を60fpsで処理する能力を有していたので、当然ながらその後継機たるスーファミも60fpsだったと思うのだが、日本のアナログ放送で採用されていたNTSCカラーに対応するテレビが、60i(フィールド周波数が60Hzのインターレース)でフレーム周波数が30Hzだった場合、結局モニター側が30fpsでの描画しかできないのなら、60fpsって活かせてたっけ?と疑問に思ったので、60fpsか30fpsだと思うという曖昧な言葉になってしまった。ファミコン用ソフト「メタルスレイダーグローリー1991年8月30日発売、HAL研究所)」が、ファミコンの表示画像の粗さをアニメーションの滑らかさでカバーしていたと、同作の原案からキャラクターデザインまで幅広く担当された漫画家の☆よしみる氏がどこかで語られていた記事を読んだような気がする。。。参照先としてリンクしようと探したものの、見つけられなかったが…(汗。

マシン紹介

スタート時のマシン各種

選択可能な4種類のマシンをご紹介。

マシン名解説
マシン画像
BLUE FALCON
(ブルー・ファルコン)
バランス型の青色。
性能のバランスが良く、重心移動を駆使する本来のプレイが可能。しかし、少し車体が軽く、当たり負けしてしまう。
操縦者のキャプテン・ファルコンは本作の主人公。
GOLDEN FOX
(ゴールデン・フォックス)
加速重視の黄色。
最も加速が良い代わりに最高速度が低く、車体が軽い。ダメージも蓄積し易いが、ピットでの回復力は高い。
使いこなすには、高いテクニックが必要。
WILD GOOSE
(ワイルド・グース)
頑丈な緑色。
加速性能はやや劣るが、接触に強く、最高速度も高め。後続をブロックし、蹴散らしながら進む。
「GRAND PRIX」の混戦で真価を発揮。
FIRE STINGRAY
(ファイア・スティングレー)
最高速度を誇る赤色。
最高速度が最も速く、コーナリングも安定し、当たり負けしない。しかし、加速は遅く、立て直すのに時間が掛かる。
初心者に優しく、タイムアタックにも強い。

コース紹介

全15コースを種類(ゲーム設定的には惑星)毎に分類し、KNIGHT、QUEEN、KINGとプレイした時の出現順にご紹介。

コース名解説
コース画像
MUTE CITY(I、II、III)全LEAGUEで一番最初にチャレンジするコース。コース内容と共に昼間、夕方、夜間と背景も変化する。全体的に道路幅が広くて走り易いが、KNIGHT LEAGUEの「MUTE CITY I」でも最終ヘアピンという難所がある。重心移動でのコーナリングの練習になる。
BIG BLUEKNIGHT LEAGUEで二番目に登場し、他のLEAGUEには登場しない。水を湛えた美しいコース。スリップゾーンに注意。
SAND OCEANKNIGHT LEAGUEで三番目に登場し、他のLEAGUEには登場しない。キツいコーナーの連続で、三か所目にしてかなりテクニカルなコースになっている。最初にゲームオーバーになるなら、ここか。PRACTICEで練習できるのが救い。
DEATH WIND(I、II)KNIGHT LEAGUEで四番目に登場し、KING LEAGUEでも再登場する。強風と狭い道幅で、ライバルカーやガードビームとの接触事故が絶えない。単純な造りのKNIGHT LEAGUEの「DEATH WIND I」では、最高速度が最も速いFIRE STINGRAYならダッシュゾーンを連続に踏むことで爽快に走れるが、よりテクニカルなコースになったKING LEAGUEの「DEATH WIND II」では、そのダッシュゾーンが事故の元になることもあり、BLUE FALCONの方がクリアし易い。
SILENCEKNIGHT LEAGUEの最後に登場し、このコースをクリアすると、KNIGHT LEAGUEクリアとなる。連続クランクなど一見かなりテクニカルなコースだが、タイムよりもKNIGHT LEAGUEをクリアする為だけなら、地雷に気を付けながら内側のルートを走るだけで、かなり入賞が近くなる。ライバルカーは地雷を避けて迂回ルートを通る為、タイムロスが大きい。
PORT TOWN(I、II)QUEEN LEAGUEで初登場。ジャンプあり、ヘアピンあり、マグネットバーありで、それまでに比べてかなり難しいコース設計になっている。それでも、PRACTICEモードで「PORT TOWN II」を選択出来るので、気軽に何度でも練習できることが救いか。PRACTICEで「II」を走り込むと、QUEEN LEAGUEの「PORT TOWN I」をむしろ物足りなく感じるかもしれない。
RED CANYON(I、II)QUEEN LEAGUEとKING LEAGUEに登場し、PRACTICEで一切練習できないコース。ジャンププレートを使ってスピードを維持する高速コースで、QUEENでもKINGでも比較的簡単なコース設計となっている。かなり長く感じるKING LEAGUEの「RED CANYON II」には、ジャンププレートを使用したショートカットポイントが用意してある。
WHITE LAND(I、II)QUEEN LEAGUEで二連戦する白いコース。ここもPRACTICEでは練習できない。「WHITE LAND I」にはスリップゾーンが多く、ジャンププレートとマグネットゾーン(下方向への強制力が掛かる)など、路面上のギミックが多い。FIRE STINGRAYが楽。「WHITE LAND II」の終盤には、「PORT TOWN」とは比べ物にならない程の大ジャンプが必要なゾーンがある。ここにしっかり減速せずに進入出来るかがカギとなる。QUEEN LEAGUEをクリアする為だけなら、シケインのインを攻めて、ガードビームのような青いゾーンの上を抜けてショートカットすると、順位を上げ易い。一時的に減速してしまうが、ライバルカーはコース通りに大回りするので、距離が稼げる。
FIRE FIELDKING LEAGUEの最終戦に相応しく、「F-ZERO」で最も難しいコース。道幅が狭く、様々な仕掛けが矢継ぎ早に襲い掛かり、POWERがどんどん削られる。その上、ピットゾーンは遠回りになる外側で、距離も短い。減速する機会が多いので、加速が最も遅いFIRE STINGRAYには不利なコースとなっている。BLUE FALCONで重心移動を使いこなす本来の走りを心掛けるか、加速力を活かしてGOLDEN FOXで安全運転するか、WILD GOOSEでライバルカーをブロックしながら速度を維持する方が楽かもしれない。
?????
(ご自分の目でお確かめ下さい。)
 ※その理由は「思い出」ご参照。

ギミック紹介

「WHITE LAND II」の大ジャンプ

最後に、スーパージェットなどの仕様やコース上を彩る様々なギミック(仕掛け)をご紹介する。

名称
(必ずしも正式名ではない)
解説
画像
スペアマシンGRAND PRIXで最初に2台支給される。画面右下に台数が表示されている。POWER低下での爆発、コース外への落下、リタイア時にスペアマシンが残っていればそのコースに再挑戦可能で、もしスペアマシンが残っていなければゲームオーバーになる。“最初から1台+スペアの2台”なので、各LEAGUEの開始時、MUTE CITYでマシンがスタート地点に並ぶ前までは、表示が3台になっている(写真)。10,000点を超えると1台というように、ポイントを一定数貯めるとスペアマシンが増える。
スーパージェット(S-Jet)1周する毎に1回ずつ使用出来るジェット噴射(写真:スーパージェット使用可能「S OK」)。一瞬で最高速度を超えるスピードを出せるが、数秒しか持たない。減速効果のあるギミックの一部を無効化出来る。3回分までストック出来るので、3回分をストックした状態で、次の周回に入る直前に一度使用し、さらに次の周回に入った時に追加された分も含めてストックを一気に使うと、とんでもないラップタイムを叩き出せる。
ピット(ピットゾーン)通過中にPOWERを回復出来るゾーン(写真)。どのコースにも必ず一か所は存在する。POWER回復のビームが出るまで、多少のタイムラグがあるので、ピットを出たり入ったりすると、回復効率は悪い。1度の接触で大きなダメージを受けるGOLDEN FOXは、その代りにピットでの回復スピードが早い。ライバルカーはピットを通らないので、DEATH WINDのように道幅全てがピットの場所でなければ、ある意味安全地帯である。もちろん、衝突の弾みでピットにマシンが飛び込んで来ることはある。
ガードビーム西暦2560年代、各惑星のはるか上空に専用コースを設置して宇宙規模で開かれているレース・・・という世界観だったと思う。コース自体がすごく上空にあるので、コース外が平坦に見えるのだ。と言うことで、遥か彼方に落ちないように、強力なビームでコース全体が覆われている。ぶつかると弾かれるし、接触するだけでもPOWERと速度が削られる(写真)。しかし、マシンだけでは出来ないような急減速や急角度での方向転換など、高度なドライビングテクニックの為に利用されることもある。
ジャンププレート(ジャンプ台)乗ると加速しながら空中に飛び出すプレート(写真)。下キーを入れながら乗ると飛距離が伸び、上キーを押しながら飛ぶと飛距離が落ちる。着地する時に下キーを押さなければ衝撃を受けてスピードが落ちる。加速は時速478km前後までしか上がらないので、最高速度維持中のFIRE STINGRAYやスーパージェット中の各マシンでは、ジャンプしない方がタイムは早い。しかし、高速中のジャンプは気持ちが良い。それもまた事実。。。
ダートゾーン(減速ゾーン)このゾーンに入ると速度が落ちるので、出来るだけ避けてコース取りをするのがセオリー。しかし、スーパージェット中に無効化出来るダート(写真)と出来ないダートがあり、出来ない所はスーパージェット中での高速ターンが狙えるので、場合によっては突っ込んだ方が早くなる。さらには、ガードビームとのわずかな隙間にマシンを滑り込ませ、減速させずにすり抜ける超絶テクニックを駆使する猛者も居る。実に、奥が深い。
スリップゾーン急ハンドルを切ると滑ってしまうゾーン(写真)。重心移動中に地面と擦れても減速しない。つまり、スリップゾーンで曲がる時は、十字キーよりもL/Rボタンを使うとスムーズに曲がれる。車体重量の重いマシンの方が滑り難いと思う。
ダッシュプレート(ダッシュ)乗ると時速900kmまで急加速し、徐々にスピードが落ちるプレート(写真)。各マシンの最高速度まで落ちると効果が無くなるが、最高速度の速いマシンほど、効果時間が長い。数秒間続くスーパージェットとは違って加速時間は短く、接触により一気にスピードが削られると、再加速されない。加速中に重心移動をすると激しく横滑りを起こすが、横風に流され続けるDEATH WINDに多数設置されているので、重心移動で細かく位置取りを調整しながら乗ってしまうと、ハンドルを取られかねない。使いこなすのは意外に難しい。FIRE FIELDでは遠回りになるピットレーンの出口に設置されている。
地雷触れると爆発するトラップ(写真)。なぜ、マシンを壊しにかかるのか、ドライバーを殺しにかかるのかはさっぱり分からない。同じレース中なら、一度爆発した箇所に地雷は再設置されないので、余裕がある間に避け難い地雷にわざと当たると、後の周回が楽になる。この戦法は、FIRE FIELDで役に立つ・・・かもしれない。
マグネットバー(電磁棒)ガードビーム沿い等に設置されているイライラ棒(写真)。近付くと引き寄せられ、接触するとPOWERと速度が削られる。その吸引力を利用してスムーズにコーナリング出来ると気持ちが良い。重心移動を使って避けたい。距離が離れていると、あまり引き寄せられない。車体重量の重いマシンでは影響が小さいような気がする。
マグネットゾーン路面に貼られたマグネット(写真左側、写真の右側はダート)。下方向に引き寄せられるので減速効果があり、ジャンプ中なら下に引っ張られる。着地時に下キーを押すタイミングがズレるので注意。触れないようにしたい。
シケインの仕切り(青ゾーン)ガードビームの延長のようなもので、コースの仕切だが、上を通ろうと思えば通り抜けられる箇所(写真)。正式名称が分からない。写真のように思い切って上を通り抜けてショートカットした方が、タイムが縮むこともある。
ライバルカー(周回遅れ)選択可能な4機種は、スタートラインに並ぶが、それ以外は同じ型の量産型で色違いが続く。2周目以降に現れる周回遅れは、茶色の量産型である(写真)。これらはただの動く障害物であり、走行中に随時出現する。なお、スタート直後に逆走してみても、彼等の姿は見えない。何時から走り始めたのかは、謎である。
ライバルカー(点滅)量産型で赤白点滅しているPOWER切れ間近のマシン(写真)。少しでも触れると爆発を起こす。要するに、ランダム配置の地雷である。ぶつかることに何らメリットがないので、ひたすら避けるべし。

次章では、ゲーム攻略に役立つちょっとしたテクニックをご紹介しよう。

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その他

文中登場したファミコン及びスーパーファミコン用ソフトのバーチャルコンソール(VC)対応表(文中登場順、2017年7月15日現在)です。

タイトルWii版VCWii U版VC3DS版VC備考
「F-ZERO」各823円(税込)。3DS版はNew3DS専用。
「メタルスレイダーストーリー」×各617円(税込)。
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