F-ZERO

発売日1990年11月21日
ジャンルレースゲーム
開発任天堂
販売任天堂
「F-ZERO」ページリンク
【概要】
【システム】
【技】
【思い出】

2017年7月20日 記
2017年7月27日更新
レイアウト調整

4. 「F-ZERO」の思い出

最後に、「F-ZERO」に関する思い出話をいくつかご紹介して、本稿を終えようと思う。

待望のスーパーファミコン

オープニングデモ

ついに、待望のスーパーファミコンが発売された1990年の晩秋。私は、否、私達兄弟は悩んでいた。子どもゆえにゲームソフトを“大人買い”することは出来ない。しかし、来月末にはクリスマス、そして再来月始めにはお正月と、(当時の)子どもにとってプレゼントを買って貰える一大イベントがあった。これを逃す手はない。私は、否、私達兄弟は両親と交渉した。粘り強い交渉の結果、兄弟二人分のクリスマス、お正月、そしてこの年の誕生日、全て合わせて、スーファミ本体とソフト二つを買って貰えるようになった。
購入するのは近所の玩具店だ。顔が利くので商品が無いと言うことは無いだろう。今時の家電量販店なら「在庫切れ」の紙切れ一枚で終わってしまうだろうが、そこは地元密着の玩具店。書き入れ時の年末商戦に馴染み客の商品を確保出来るかが腕の見せ所である。ファミコンブームでゲームソフト屋が増えたものの、問屋とのグリップ力が違う。顧客の中からスーファミを買いそうな客を読んで、予め必要な個数を確保する。AIなどは無いが、それが当たり前の時代だった。
・・・あれ?我が家の顔が広いのでは無く、単に行動を予想されていただけか?まあ、ただの一庶民、顔が利く訳がないか。
閑話休題。
こうして、ゲームソフトを一気に二本も買って貰えることになった私達兄弟は、何を買うかで悩んでいたのだ。何しろ、当時、得られる情報の殆どが紙媒体の専門誌である。YouTubeも無ければ、Amazonも無い。動く映像はCMか店頭デモだけで、レビューは雑誌の評価を信じるしか無い。
(あれも良いけど、これも良さそう。)
悩みに悩んだ結果。決め手となったのは、おもちゃ屋の店頭で流されていたデモだった。
「すげー!未来の車だ!」
そう、たまたま見たのはローンチタイトルの「F-ZERO」だった。今回の動画でも使用したが、タイトルから続くPORT TOWN IIのデモ映像である。タイヤの無い未来の車が車体を傾けながら、見事なコーナリングを披露していた。そのスムーズな走りに、ハートを鷲掴みにされたのだ。
こうして、我が家でスーファミ本体と同時に購入するソフトの一本が決まった。

映像と音

通常のウイニングラン

「じゃあ、次の周回であと2cm、インを攻めるよ。」
さらりとそう言ってのけた上に実行して見せたのは、音速の貴公子とも呼ばれたアイルトン・セナだっただろうか。2cmじゃなく、1inだったかもしれない。
ファミコン最初期の名作「F1レース」(1984年11月2日発売、任天堂)より、ファミコン時代に送り出された後方視点のレースゲームは、そのような細かな動きの制御はもちろん出来なかった。どうしても、車の角度に合わせて路面が動いているような印象を受けてしまう。どちらかと言うと爽快感が得られるレースゲームは、見下ろし型のトップビュー方式の物が多かった。アーケードからファミコンにも移植された「ロードファイター」(1985年7月11日発売、コナミ)は、ファミコン初期の代表作と言えるだろう。
スーファミのローンチタイトルである「F-ZERO」の魅力は、そのスムーズな走りと細かくさばけるステアリングにある。
――ガードビームを少しこすって、速度を落としながら急カーブを曲がる。
――ダートゾーンとガードビームの間の僅かな隙間をすり抜ける。
後方視点のレースゲームで、そんな細やかな車体制御が可能なゲームを、それまでの私は知らなかった。CLASS:MASTERで初めてLEAGUEをクリアした時、いつもと視点の異なるウイニングランに興奮した。

もう一つ、「F-ZERO」の魅力は、音にある。圧倒的なスピード感や路面を舐める様に走る滑らかさを体現するかのようなキーンと言う高音のエンジン音、重心移動で車体を傾けた時に路面をこする音、車回りの効果音は近未来を予感させ、個性豊かでノリの良い各ステージのBGMは、疾走するマシンの爽快感を演出してくれていた。QUEEN LEAGUEで二連戦となるWHITE LANDのBGMは、IとIIで異なるアレンジだったのも凝っていた。ファミコン時代のレースゲームで、走行中のBGMがこれほど立っていたゲームを、私は知らなかった。サウンドがステレオになったことで、より立体感や臨場感が増していたのも要因だろう。スーファミ時代を通して様々なレースゲームが発売されたが、結局、私自身はレースゲームと言えば「F-ZERO」に戻っていた。

FIRE FIELD

KING LEAGUE第一戦から地雷あり

「めっちゃ暑そう。」
それが、KING LEAGUEの最終戦、FIRE FIELDを初めて見た時の感想である。清涼感溢れるKNIGHT LEAGUEの第二戦、BIG BLUEが懐かしい。このFIRE FIELD、他のエリアとは違う色彩で、いかにも最終戦という異質さが感じられるコースになっていた。まずは全体に道路幅が狭いので、ライバルマシンに接触せずに走り切るだけでも一苦労だ。その上、スタート直後の地雷に始まり、挨拶代わりのヘアピンカーブ、ダートゾーンを抜けるとFIRE STINGRAY殺しの連続ヘアピン、さらにはマグネットバーに、とても大回りするピットゾーン、ピットから戻る時のダッシュプレートと、ギミックも多数散りばめられており、それまでに培ったテクニックをフル活用して取り組む難易度の高いコースである。
兎に角、初めて見た時のインパクトが半端なかった。KINGの第四戦がジャンプの楽しいRED CANYON IIだったこともあり、難易度が桁違いだった。動画検索してしまえば、直ぐに多数の動画が見られるのだろうが、やはり、全てを紹介し切ってしまうのは本意ではない。今回の動画でもFIRE FIELDの映像は使用せず、「2.ゲームシステム>コース紹介」でもFIRE FIELDのコース画像は「?????」とした。是非、何も参照せずにFIRE FIELDまでたどり着き、その最終戦らしさを堪能して頂きたい。

5. 終わりに

「F-ZERO」、いかがだったであろうか?
スーパーファミコン実機と中古のソフトを用意すると言うのも良いが、Wii U(またはWii)でWii U版(またはWii版)のバーチャルコンソール(VC)版を購入するのが、一番手軽ではなかろうか。New3DS版のバーチャルコンソール版も販売されている。なお、Wii版のVCの場合、Wiiリモコンと共にクラシックコントローラー(またはクラシックコントローラーPRO)が必要となる。

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スーパーファミコン版「F-ZERO」は、Wii、Wii U、New3DSのバーチャルコンソールで配信販売されています(各税込823円)。Wii版のVCのプレイには、Wiiリモコン(Wiiリモコンプラス)と共にクラシックコントローラー(クラシックコントローラーPRO)が必要です。また、2017年10月5日発売予定の「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」(7,980延税別)にも収録されています。以下に、関連商品の広告を表示します。ご興味のある方は、是非お買い求め下さい。

【ニンテンドープリペイド番号】
 ※Wii版のVCをダウンロード購入する際に必要な「Wiiポイント」として、Wiiショッピングチャンネルにて登録可能です。
 但し、一度登録した「Wiiポイント」は、「ニンテンドーeショップ」の残高とは合算出来なくなるので、ご注意下さい。

【Wii U 本体&周辺機器】

【Wii 周辺機器】
 ※Wii版のスーパーファミコンのVCで遊ぶには、Wiiリモコン(Wiiリモコンプラス)と共にクラシックコントローラー(クラシックコントローラーPRO)が必要です。

【Newニンテンドー3DS 本体】

【ニンテンドークラシックミニ】

その他

文中登場したファミコン及びスーパーファミコン用ソフトのバーチャルコンソール(VC)対応表(文中登場順、2017年7月20日現在)です。

タイトルWii版VCWii U版VC3DS版VC備考
「F-ZERO」各823円(税込)。3DS版はNew3DS専用。
「F1レース」××× 
「ロードファイター」×※ファミコン版は配信されていないが、MSX版が各823円(税込)で配信されている。
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